IT経営導入の流れは以下のようになります。
- 経営課題の抽出
- IT戦略策定
- IT資源調達
- IT導入
- ITサービス活用
（１）経営課題の抽出
目標：経営課題を明確にして、課題解決策を考案する
【概要】
・企業理念、経営方針、経営計画等を確認し、経営の方向性を把握する。
・外部環境の情報を収集する（顧客や市場に関する情報）。
・業務別（営業、調達・物流、製造、財務等）にヒアリング調査を実施し、内部環境の情報を収集する。
・企業内外の環境に関する情報を収集・分析し、経営課題を顕在化させる。
・経営課題の解決策を検討し、「あるべき姿」になるための成功要因（CSF）や達成目標を導出する。
・戦略立案と並行してIT領域の課題を明確にする。
【成果物】
・調査報告書（ビジネスモデル概要図、経営課題の一覧表、現状業務フローチャート etc.）、CSF（重要成功要因）案。
（２）IT戦略策定
目標：経営課題解決のためにITサービスを活用したビジネスプロセスを策定する
【概要】
・経営課題を解決するため、内部の現状とベストプラクティスやIT動向を分析し、ITによって実現する目標ビジネスプロセスモデル（あるべき姿）を決定する。
・現状と目標の差をギャップ分析で明らかにし、各種のビジネスプロセス表記手法（ワークフローチャート等）を用いて、業務プロセス改革方針を作成する。
・IT化の投資対効果が評価できる指標を策定する。
・IT戦略企画書を作成し、報告を行い、承認を得る。
【成果物】
・IT戦略企画書（IT化の戦略目標、IT化の実行項目、新業務プロセス、IT化の期待効果、IT導入計画 、推進体制et）。
（３）IT資源調達
目標：IT戦略の実行に必要なIT資源を調達する
【概要】
・新たなビジネスプロセスを実現するためのIT資源（ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、附帯設備、人材）を明確にする。
・IT資源を適切な費用と要求した品質で所定期限内に調達できるよう、調達要件や調達方法を策定し、RFP（提案依頼書）を発行する。
・パッケージ情報、IT市場の動向調査などを通じて、最適なIT化資源調達の検討を行う。
・調達先より提案書・見積書を受領し、評価する。
・調達先と調整・交渉のうえ、契約を行う。
【成果物】
RFP（提案依頼書）、提案評価表。
（４）IT導入
目標：新業務への移行準備を行う
【概要】
・IT導入を実施し、計画に沿った品質、コスト、納期でIT環境を構築する。
・業務マニュアル、システム運用マニュアルの作成、教育訓練計画の作成と教材の開発、教育訓練の実施。
・受入テスト計画の策定と準備。
・受入テストの実施と稼動開始判断。
【成果物】
・業務マニュアル、システム運用マニュアル、テスト計画書、テスト実施報告書、システム移行計画書。
（５）ITサービス活用
目標：ITサービスを活用し、IT戦略の目標を達成
【概要】
・IT戦略の視点より、IT化の目標に対する達成度評価を行い、必要な業務プロセスやITサービスの改善･改革を行う。
【成果物】
・IT戦略達成度評価。
